QoS設定 ネットが繋がりにくい状況をルーター側で改善させるサービス

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2015年以降インターネットの利用環境が大幅に変わってしまいご自宅にあるインターネットは常にデーターが渋滞する状況になっています。
インターネットが渋滞すると言うのはデーターがなかなか外に出ていけなくてまたその逆にデーターが帰ってこれずに(ダウンロード)、インターネット(Wi-Fi)をスムーズに利用できなくなる(遅くなる)事がある。
例えば長男はオンラインゲーム、長女はWi-Fiにスマートフォンで人気アイドルグループの動画を視聴、お父さんはアマゾンプライムTV(同様にWi-Fiで繋ぎますよね)で映画を視聴している。
こうなるとインターネット回線の通り道が渋滞してしまい、インターネットが全般的に遅くなってしまいます
動画なら止まるだけなら良いがオンラインゲームは切れてしまう事やルームから強制的に追い出される事も。
このようなインターネット渋滞をさせないQoS対応ブロードバンドルーターが市販されているのでもしも誰かが自宅内でヘビーなインターネットの使い方をしているならQoS設定を行い、公平で混雑しないインターネット環境を構築する事ができる。
設定方法はとても簡単です、ルーターメーカー別に説明致しますので一度設定してみてください。

QoS設定メニュー

QoSを設定するとインターネットが快適になるの?

QoSは「Quality of Servic」(クオリティ オブ サービス)と言う名称で、ネットワーク内で指定したサービスの通信品質を確保する為に登場した技術。
シスコシステム「QoSとは」。
私が今回提案させて頂くQoS設定は、みんなが公平にインターネットの回線速度(帯域)を使える事を目的とします。
冒頭述べましたとおり、自宅の誰かがずっと巨大なデータをアップロードやダウンロードしていると他の端末のインターネット速度が極端に遅くなってしまいます
そうならないように例えば自宅に二台端末があれば、インターネット速度を公平に使えるように一台の端末毎に100Mbps回線のインターネットであれば50Mbps上限設定にしてしまう事で公平且つ快適なインターネット環境になると言うわけです
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エレコムのWRC-1167GHBK-Sルーターで試してみました。ファームウェアバグなのか全体的に帯域を調整する速度がアップロードとダウンロード共1Mbpsしか指定できない。
1Mbpsに帯域指定して、ソフトウェアをダウンロードさせて試すとまずWEB表示が異常に遅くなり、ソフトウェアダウンロード速度は約53.6kbps(6.7kb/s)でした。1Mbpsだと本来は125kbpsでないと行けないのですがそれの約半分以下に帯域が制限されてしまう。
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ちなみにQoSを無効化にするとダウンロード速度は38.24Mbps(4.78mb/s)へ改善。
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上記の結果から、1Mbps(遅すぎるので1Mbps設定は止めたほうが良い)に設定する事で家庭内のインターネット帯域は38.1Mbps余ると言うことになる。

Wi-FiはQoS対策でネット環境の改善は難しい

有線LAN接続の端末は全二重と言い、上りも下りも設定した同じ帯域でネットワーク(インターネット)通信できるのだがWi-Fiは全二重ではないのでWi-Fi端末の多いご家庭ではQoS設定だけで帯域を確保させるのは難しい。
Wi-Fiで繋ぐ端末がご自宅で2~3台前後でそのうち動画(映画やドラマ、YOUTUBE)ばかり見るのは1台だけならQoSで対策は可能
それ以外で例えば大学の寮で一台の無線LAN親機をシェアしていると言う場合ならWi-Fiの速度快適にさせたいならQosでの対策は難しいので安物無線LAN親機を2~3台増設するのがお勧めだと思います。

家庭内LAN用QoS割当速度目安

家庭内LANで速度(帯域)を制限する目安としては、ご利用のインターネット速度÷利用人数を上限にすると良いのでは無いでしょうか。余り帯域を小さくしすぎるとインターネットを見るのもストレスになると思われます。
まず接続テストを行い、ご自宅のインターネットトラフィック容量(接続速度目安)がどれくらいなのか調べます。
http://beta.speedtest.net/」で簡単に調べられます。有線LANケーブルで繋いでいるパソコン又はプレイステーションかテレビでbeta.speedtest.netを開いて「GO」をクリックするだけです(正確な速度情報が得られないのでWi-Fiは駄目です)。
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しばらくすると接続速度結果が表示されます。接続結果は下りが約460Mbps、上りが約380mbpsとします。
例えば家族(Xとする)人でインターネットを利用すると仮定すると割当速度は(Yとする)。

  • 下り 460÷X=Y
    • Xが5人ならYは92Mbps
  • 上り 380÷X=Y
    • Xが5人なのでYは76Mbps

QoS速度設定は市販ルーターだと概ね最大12Mbpsまでしか設定できないので最大値の速度制限を行う事でインターネットが家庭内で混み合う事は無くると思われる。
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一方比較的遅い回線の接続結果は下りが約40Mbps、上りが約40mbpsとします。

  • 下り 40÷X=Y
    • Xが10人ならYは4Mbps
  • 上り 40÷X=Y
    • Xが10人なのでYは4Mbps

QoSの速度設定目安は4Mbpsで良いのだが、4Mbpsだと常にストレスが溜まるインターネット環境なのでもしも自宅のインターネット速度が50Mbpsを下回る且つご家族が少なければ8~10Mbpsとややオーバースペック気味に速度制限を掛けてしまうと良いと思います。
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QoS速度制限メーカー別設定説明

ルーターメーカーによっては上りしか速度制限(LAN内帯域規制)しかできない製品もあるので、QoS対応ルーター選びには注意して下さい。
例えばバッファローの「WSR-2533DHP」には上り方向しか速度制限が掛けられない他、NTTやAtermそれにコレガとIOデータ製品はQoS設定そのものが無いルーター又は無線LAN親機製品があります。
もしもQoS設定がルーターに搭載されていない場合は別途QoS対応ルーターをご用意下さい。
また2017年時点では余りQoSサービスが重視されていない為、QoS設定が搭載されていたとしてもファームウェア不具合(ルーター動作プログラム)により正しく動作しない事もあります。

ロジテック

LAN-WH300N/DGRを参照しルーターの設定画面を開き「詳細設定(上級者向け)」を開いて下さい。
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「QoS」を有効にするにチェックを入れる。
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2017年9月時点でファームウェア動作不良によりLAN-WH300N/DGRのQoS簡易設定が有効に働かない為、手動設定で説明します。
「追加」ボタンをクリックしてください。
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追加ボタンをクリックするとQoS詳細設定画面が表示されるので次を参考に設定下さい。

  • ルール名 任意 speed
  • 帯域幅 制限したい上下速度 10Mbpsなら10000 5Mbpsなら5000
  • ギャランティは最大へ変更
  • ローカルIPアドレス 192.168.2.2-192.168.2.254
  • ローカルポート範囲 1-65535
  • リモートIPアドレス 空欄でも良い 又は0.0.0.0-0.0.0.0
  • リモートポート範囲 空欄でも良い 又は1-65535
  • トラフィック形式 なし
  • プロトコル TCP
  • 保存

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適用から再起動で設定完了です。
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エレコム

WRC-1167GHBK-S(スマートフォンでも設定可能)を参考にルーターの設定画面を開きます。
設定画面が開いたら左下「QoS」
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「ダウンロード/アップロード帯域設定」有効/無効の有効にチェックを入れる。

  • ダウンロード帯域幅 1~30Mbps 任意の値を選択
  • アップロード帯域幅 1~30Mbps 任意の値を選択

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適用から再起動でQoSが有効になりますが、2017年9月時点「WRC-1167GHBK-S ファームウェアバージョン1.00」のQoS設定の帯域指定が1Mbps以外反映できない。接続テストを行うも1Mbps制限時の実際の速度は50Kbps前後しか出ない
対策としては家庭内のインターネット端末側IPアドレスをすべて固定し、手動で個別設定を行う必要がある。

WRC-1167GHBK-S QoS手動設定例

手動設定する場合、速度制限を掛ける端末のIPアドレスを固定しなければならない。
DHCPサーバ範囲内のIPアドレス値を固定設定してしまうとIPアドレスが競合して繋がらなくなる恐れがありますので以下の様にDHCPサーバ割当範囲外にIPアドレスを固定してください。
エレコム製品のDHCPサーバによるIPアドレス割当範囲は「192.168.2.100~192.168.2.200」まで。
IPアドレス固定一覧を参考に速度制限したい端末のIPアドレスを固定します。

  • IPアドレス 192.168.2.10
  • サブネットマスク 255.255.255.0
  • デフォルトゲートウェイ 192.168.2.1
  • 優先(プライマリ)DNS 8.8.8.8
  • 代替(セカンダリ)DNS 192.168.2.1

もしもうまくIPアドレスの固定ができない場合は以下の様に0を付加して設定してみて下さい。

  • IPアドレス 192.168.002.010
  • サブネットマスク 255.255.255.000
  • デフォルトゲートウェイ 192.168.002.001
  • 優先(プライマリ)DNS 008.008.008.008
  • 代替(セカンダリ)DNS 192.168.002.001

固定できたらルーターにQoSを次の様に手動で追加します。
「特定通信に関する設定」

  • 通信方向 両方
  • 上限 / 下限 上限
  • 帯域幅 任意 1~30Mbpsの間で指定
  • ローカルIPアドレス 192.168.2.10
  • 追加

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適用をクリックして保存。以上で設定完了です。
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ASUS

RT-AC66Uの説明を参考にルーターの設定画面を開きます。
「トラフィックマネージャー」を開きます。
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QoS OFF→ONへ切り替えます。
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右上「トラフィックマネージャー QoS」右側のプルダウンメニューから自動モードを選択。
補足、ユーザー定義は複雑なので難しいです。教えて欲しい方は個別にお返事するのでコメント欄へご質問下さい。
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帯域幅 アップロード及びダウンロードの右側を必ず「kb/s」へ変更して下さい。ASUSルーターはbps(ビット秒)で設定では無くb/s(バイト秒)で指定しなければならい。
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1バイト=8ビットなので帯域を指定したい場合は次の目安を参照し設定下さい。

  • 5Mbps 625kb/s
  • 10Mbps 1250kb/s
  • 15Mbps 1875kb/s
  • 20Mbps 2500kb/s
  • 25Mbps 3125kb/s
  • 30Mbps 3750kb/s

入力したら保存をクリックして設定完了です。
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バッファロー

バッファロールーターは上り方向(アップロード側)だけのアドバンスドQoS設定しか無いルーターがあります。高価な無線LANブロードバンドルーターなら上りも下りもアドバンスドQoS設定できる製品もあります。
またアドバンスドQoSのサービス内容は帯域規制と言うよりも快適に利用したいインターネットサービス種別の速度(帯域)を確保すると言うか指定するサービス以外のインターネットが遅くなる事がある
WZR-1166DHPを参考にルーターの設定画面を開きます。
設定画面が開いたら左下「アドバンスドQoS」のOFFをタップ又はクリックしてONに切り替えます。
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次にどのサービス(動画・ゲーム・WEBサービス等)を優先させたいのかをカスタマイズします。「アドバンスドQoS」のON以外の場所をクリックまたはタップ。
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アドバンスドQoS設定ページです。「主な用途」にチェックを入れて右下の設定ボタンをクリックすると有効になる。サービスの説明は「アドバンスドQoS 指定するサービスとは?」をご覧ください。
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主なサービスの中に希望する内容の設定がなければ手動設定にチェックを入れユーザーQoSを作成する事ができる。
作成方法は「手動設定」にチェックを入れ設定をクリックしてから詳細設定メニュー(右上の歯車アイコンです)を表示します。
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速度を確保したいサービスの優先度を1又は2へ設定し余り利用しないサービスは優先度5又は6へ変更し「設定」をクリックすれば完了です。
ユーザー設定の追加は次で説明しています。
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「ユーザー設定の追加」は指定端末(例えばパソコン)にNASへの接続を優先させたい場合は、ユーザーで設定を作ることができる。
ユーザー設定の追加ボタンをクリックすると次のQoS設定項目が表示されます。次を参考に任意の設定を作る事ができる。
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例えばバッファローのNASはTCP/9000番を使うので、以下の様に設定すると優先順位を指定し速度を確保する事ができる。

  • 登録名 例 NAS
  • 優先度 任意に指定
  • プロトコル TCP
  • サーバー any接続を許可する場合は空欄
  • ポート番号 9000
  • IPアドレス又はMACアドレスを選択できる
  • IPアドレス 優先的にアクセスさせたい端末 例 NASのIP等。またはNASへアクセスするパソコンのIPアドレス
  • ポート番号 9000
  • 新規追加

入力できたら右下の設定ボタンをクリックして保存。以上で設定完了。
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アドバンスドQoS 指定するサービスとは?

バッファローのアドバンスドQoS設定画面です。例えばここでゲームを指定するとオンラインゲームの速度が確保されその他のインターネットの速度が規制されてしまい遅くなってしまう事もある。
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アドバンスドQoS サービス内容の説明

例えばYOUTUBEやAmazonプライムのビデオ視聴サービスを快適にしたいなら「ビデオの視聴」にチェックを入れ設定する。
オンラインゲームを快適にしたいなら「ゲーム」にチェックを入れ設定。
ボイスチャットは「通話」関連です、例えばLINE電話のクオリティを上げたい場合はこの「ボイスチャット」にチェックを入れて設定。
インターネットのページ閲覧等の他のサービスの速度を確保したい場合は「手動設定」にチェックを入れて一旦設定をクリックして保存。
次に詳細設定画面に切り替えます。
手動設定項目に優先度切り替えプルダウンメニューから快適にしたいサービス名の優先度を高にする。
サービスの主な内容
ビデオとゲームは先程説明させて頂いたので省きます。
会議はビデオ通話サービス+文字によるチャット。
オーディオはネットラジオ等の音楽を視聴するサービス。
ブラウジングは検索やWEBページの高速表示切り替えサービス。
ダウンロードは文字通りデータのダウンロード。例えばプレイステーションストアでゲームをダウンロードする作業が高速になる。
以上を踏まえて設定して下さい。

デバイスコントロールで速度制限する

バッファローにはアドバンスドQoSと併用で、インターネットを使いすぎている端末を指定して優先度を高(速度を速く)くしたり低く(速度を遅く)したりする事ができる。
QoSを有効にした状態でバッファロールーター設定画面トップページの「デバイスコントロール」を開きます。
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バッファロールーターに繋いでいる端末一覧(IPアドレス含む)が「デバイスコントロール」ページに表示されています)。
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インターネットを使いすぎているご家族または同居人の端末のIPアドレスアイコンをクリックします。
わからない場合はIPアドレス確認を参考に制限したい又は優先したい端末のIPアドレスを調べる事ができます。
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アドバンスドQoSのプルダウンメニュー「全体設定にしたがう」をタップ又はクリックします。
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選択した端末そのものの速度を速くしたり遅くしたり設定する事ができる。例えばずっと動画を見ている人の端末を遅くしたい場合は優先度3前後にすると良いと思います。優先度4以下だと全体的にとても遅くなるのでデバイスコントロールでは優先度4以下を指定するのは避けた方が良い。
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説明は以上。

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